「米国の長期金利が上がる局面で利益を狙いたい」「TMFは聞いたことがあるけれど、その反対のTMVがどう動くのかよくわからない」
WOZ media編集部が、そんな中上級者に向けてDirexion Daily 20+ Year Treasury Bear 3X ETF(TMV)の特徴・リスク・買える国内証券会社を解説します。TMVは、米国20年超国債の指数に対して-3倍(日次)の値動きを目指すETFです。
米国の長期金利が上がると長期国債の価格は下がります。TMVはその国債価格の下落を3倍で取りにいく「ベア型(インバース型)」のETFです。つまり金利が上がるとTMVは上がるという、株式系のレバレッジETFとは逆の発想で使う商品です。
一般的なETFより値動きが大きく、利益も損失も拡大しやすい商品です。「金利が上がりそうだから買う」だけでなく、金利の方向感・価格変動の大きさ・保有期間・投資額を総合的に考える必要があります。
- TMVが連動する米国20年超国債指数とベア型・-3倍の基本構造
- 「金利が上がるとTMVが上がる」仕組みと、反対のTMFとの違い
- 短期売買・金利上昇ヘッジ・イベント投資での使い方
- 長期保有で注意すべき減価・乖離リスク
- 出来高・スプレッド・経費率・為替リスクの見方
- TMVを買える国内証券会社と口座開設前の確認点
結論:TMVはどんなETFか【30秒でわかる早見表】
TMVは米国の長期金利上昇に明確な相場観を持つ中上級者向けのETFです。
| ひとことで言うと | 米国20年超国債指数の-3倍(日次)の値動きを目指すベア型ETF |
|---|---|
| 向いている使い方 | 長期金利の上昇を取りにいく短期トレード・保有債券の金利上昇ヘッジ・イベント投資 |
| 向いていない使い方 | 長期の積立・放置(減価・乖離リスクあり) |
| 最大の注意点 | 日次リセット型のため、2営業日以上の保有では倍率どおりに動かない |
| 買える主な証券会社 | SBI証券・楽天証券・マネックス証券(詳細はこちら) |
特に重要なのは、TMVが「米国債指数の長期リターンに対して常に-3倍になる商品」ではないという点です。
倍率は1日単位で計算されるため、長期金利が一方向に上がるトレンド局面では有利に、上下に振れるボックス相場では不利に働きやすくなります(詳しくは値動きの仕組みで解説)。
Direxion Daily 20+ Year Treasury Bear 3X ETF(TMV)の基本情報
TMVは、Direxion(運用主体はRafferty Asset Management)が提供するベア型(インバース型)のETFです。米国20年超国債指数の日々の値動きに対して、-3倍(-300%)の投資成果を目指します。
基本スペック
| ティッカー | TMV |
|---|---|
| 正式名称 | Direxion Daily 20+ Year Treasury Bear 3X ETF(2026年2月に旧称「…Shares」から改称) |
| 運用会社 | Direxion(Rafferty Asset Management) |
| 上場市場 | NYSE Arca |
| 対象 | 米国20年超国債(ICE U.S. Treasury 20+ Year Bond Index) |
| 方向 | ベア型(インバース型) |
| レバレッジ倍率 | -3倍(-300%・日次) |
| リセット頻度 | 原則として日次 |
| 主な用途 | 長期金利上昇狙いの短期売買/保有債券の金利上昇ヘッジ/イベント投資 |
| 経費率 | 0.97%(費用免除なし) |
| 純資産総額 | 約2.3億ドル |
| 平均出来高 | 約95万〜125万株/日(直近1〜3カ月平均) |
| 分配金 | 年4回(3・6・9・12月)。直近12カ月の利回り約2.0% |
| 設定日 | 2009年4月16日 |
| 為替リスク | あり(米ドル建て) |
| NISA対応 | 対象外(成長投資枠・つみたて投資枠とも) |
証券会社の銘柄ページには、2016年5月まで連動していた旧指数名(NYSE 20 Year Plus Treasury Bond Index)が残っている場合があります。どちらも米国20年超国債の指数です。
TMVの対象となる米国20年超国債とは
米国20年超国債の指数(ICE U.S. Treasury 20+ Year Bond Index)は、残存期間が20年を超える米国債で構成され、デュレーション(金利感応度)が長いのが特徴です。
対象テーマの特徴
債券価格と金利は、シーソーのように逆方向に動きます。金利が上がると既発債券の魅力が相対的に下がるため価格は下落し、金利が下がると価格は上昇します。残存期間が長い超長期債ほどデュレーションが大きく、金利のわずかな変動で価格が大きく動きます。
同じ指数に連動する通常ETFのTLT(iShares 20+ Year Treasury Bond ETF)の実効デュレーションは約14.8年です(2026年9月25日時点・iShares公表値)。金利が1%動くと価格はおおむね15%前後動く計算で、TMVはその-3倍の値動きを目指します。
特に注目したいのは、FOMC(米連邦公開市場委員会)の政策金利見通し・CPIやPCEなどのインフレ指標・景気指標・米国債の入札と需給です。これらが強く動く局面では長期金利が大きく振れ、TMVの価格も大きく変動しやすくなります。
FRBは2026年9月16日に政策金利を3.75〜4.00%へ引き上げ(2023年以来の利上げ)、年内の追加利上げも示唆しました。次回FOMCは10月27〜28日です。
原油高(イラン情勢)によるインフレ高止まりと強い景気指標を背景に、長期金利も上昇しています。9月25日の米10年債利回りは5.17%(2007年以来の水準)、20年債は5.54%で、30年債は24日に一時5.50%と2004年以来の水準を付けました。TMVも9月25日終値47.11ドルと52週高値圏にあります。
TMVの値動きの仕組み
TMVは、米国20年超国債指数の日々の値動きに対して-3倍の投資成果を目指します。国債指数が1日で2%下落(金利上昇)すれば理論上は約6%上昇し、2%上昇(金利低下)すれば約6%下落します。
日次リセットのイメージ
米国20年超国債指数が次のように動いた場合の、-3倍ベアETFの理論価格です。
| 日付 | 国債指数の変動 | 国債指数の価格 | -3倍ベアETFの理論価格 |
|---|---|---|---|
| 初日 | — | 100.0 | 100.0 |
| 1日目 | -10% | 90.0 | 130.0 |
| 2日目 | +11.11% | 100.0 | 86.67 |
この例では、国債指数は2日後に100へ戻っています。1日目に国債が10%下落(金利上昇)したのでベアETFは130へ上昇しますが、2日目に国債が反発(金利低下)すると、ベアETFは100に戻らず理論上86.67付近まで下がります。
これは毎日-3倍をかけてリセットされるためで、国債価格(金利)が上下に大きく振れるほど、レバレッジETFの価格は削られやすくなります。この現象が、いわゆる「減価」です。
トレンド相場では有利に働くこともある
一方で、長期金利が一方向に連続して動く場合は、複利効果がプラスに働くこともあります(逆に金利が連日低下すると、ベア型ETFは大きく下落します)。
たとえば米20年債利回りが4.87%から5.54%へ上がった2026年6月24日〜9月25日、TLTは約9%下落しました。同じ期間にTMVは35.83ドルから47.11ドルへ約31%上昇し、単純な3倍(約28%)を上回っています(終値ベースの編集部試算)。
つまりTMVは「横ばい・乱高下に弱く、明確な金利上昇トレンドに強い」性質を持ちやすいETFです。金利の方向感がはっきりしているかどうかが、TMVの使いどころを判断する重要な軸になります。
TMVのメリット
少ない資金で大きな値動きを狙える
TMVの最大のメリットは、通常のETFよりも大きな値動きを狙えることです。通常のTLT(米国20年超国債ETF)は対象資産の値動きが基本的に1倍ですが、TMVは-3倍の値動きを目指すため、同じ資金量でもより大きなリターンを狙えます。
長期金利の上昇に強い相場観がある場合、資金効率の高い取引手段になり得ます。
信用取引を使わずにレバレッジをかけられる
TMVは国内証券会社で現物ETFとして買えるため、信用取引や先物取引を使わずに、債券下落(金利上昇)方向へレバレッジの効いたポジションを持てます。現物なら追証が発生せず、原則として投資額以上の損失は発生しません。
ただしETF価格自体が大きく下落する可能性はあるため、投資額の管理は重要です。
短期トレードの選択肢が広がる
TMVは短期トレーダーにとって使いやすい商品です。以下のような局面で活用されます。
- CPIやPCEなどインフレ指標が上振れし、金利上昇が意識されているとき
- FOMCで利上げ観測が強まり、長期金利が上がりやすい局面
- 米国債の入札が低調で、需給悪化が意識されたとき(2026年9月15日の20年債入札は落札利回り5.42%)
- 長期金利がテクニカル的にレンジ上抜けしたとき
- 財政赤字拡大や格付けへの懸念で長期債が売られているとき
金利上昇局面・債券下落局面でも利益を狙える
現物の債券や債券ファンドを保有しているだけでは、金利上昇局面で評価額が下がるのを見ているしかありません。ベア型のTMVを使えば、金利上昇・債券下落の局面でも利益を狙えます。
すでに米国債ETF(TLTなど)や債券ファンドを保有している投資家にとっては、短期的な金利上昇に備えるヘッジ手段として検討されることもあります。ただしヘッジとして使う場合でも、倍率・相関・保有期間・投資額を誤ると、想定以上の損失につながる可能性があります。
TMVのデメリット・リスク
値動きが大きい
TMVは-3倍の値動きを目指すため、1日の価格変動が大きくなりやすいETFです。対象が20年超の超長期国債で、もともとデュレーションが長いところに-3倍のレバレッジがかかるため、金利が少し動くだけでも値動きが激しくなります。
長期金利が大きく動いた日には、TMVが1日で5%、場合によってはそれ以上動くこともあります。投資額を大きくしすぎると、短期間でポートフォリオ全体に大きなダメージを与える可能性があります。
長期保有で減価・乖離が起きやすい
日次リセット型のため、長期で保有すると対象指数の累積リターンに-3倍をかけた結果とは一致しません。特に長期金利が上下に振れる相場ではETF価格が削られやすく、金利の方向感がはっきりしないまま長く持つほど不利になります。
逆方向(金利低下)に動いた場合の損失が大きい
金利上昇の相場観が外れた場合の損失も大きくなります。金利が低下して米国20年超国債が上昇すると、TMVは-3倍で下落します。たとえば利上げ観測が後退した日や、景気後退懸念から安全資産として国債が買われた日(質への逃避)には、TMVが急落することがあります。
損切りラインを決めずに保有し続けると、短期間で大きな含み損を抱える可能性があります。
為替リスクがある
国内投資家が米国ETFとしてTMVを購入する場合、ETF自体の価格変動に加えて米ドル/円の為替変動も損益に影響します。ETF価格が上昇していても円高が進むと円換算の利益が小さくなり、逆にETF価格が下落していても円安によって円換算の損失が一部緩和されることもあります。
ドル建ての値動きだけでなく、円換算の損益も確認する必要があります。
スプレッド・流動性リスクがある
TMVの平均出来高は1日あたり約95万〜125万株で、債券系レバレッジETFのなかでは取引されている方です。ただし純資産は反対方向のTMF(約20億ドル)の約9分の1と小さく、相場が荒れた局面ではスプレッド(売値と買値の差)が広がることがあります。
特に米国市場の寄り付き直後・引け前・重要指標発表直後はスプレッドが広がる場合があります。編集部が2026年9月上旬に気配値を確認したところ、平常時のスプレッドは0.01〜0.05ドル程度、雇用統計発表直後は0.15ドル前後まで拡大していました。成行注文では想定より不利な価格で約定する可能性があるため、中上級者であれば指値注文を基本に考えるのが無難です。
債券型ならではの金利リスクが大きい
TMVは長期金利の変動に-3倍で反応するため、FOMC・CPI・PCE・雇用統計・インフレ期待・財政赤字・米国債の入札と需給などを継続的に確認する必要があります。
金利の方向感に確信が持てないときは、ポジションを小さくするか見送る判断も重要です。
TMVと関連ETFの比較
通常ETF・低倍率ETF・反対方向ETFと比べると、TMVの特徴がわかりやすくなります。いずれも同じ米国20年超国債の指数が対象で、方向と倍率が異なります。
| ティッカー | 方向 | 倍率 | 経費率(2026年9月時点) | 主な用途 |
|---|---|---|---|---|
| TMV | ベア(金利上昇で利益) | -3倍 | 0.97% | 本記事の対象ETF |
| TLT | ブル(金利低下で利益) | 1倍 | 0.15% | 長期投資・比較対象 |
| TBT | ベア(金利上昇で利益) | -2倍 | 0.93% | 値幅を-3倍より抑えたい場合(国内主要8社は取扱なし) |
| TMF | ブル(金利低下で利益) | +3倍 | 0.90% | 逆方向の相場観・金利低下狙い |
※経費率は費用免除後の値で、変更される場合があります。最新情報は運用会社の公式情報でご確認ください。
通常ETF(TLT)との違い
通常ETFのTLTは、米国20年超国債の1倍程度の値動きを目指し、金利が下がると価格が上がります。一方TMVは-3倍の値動きを目指し、金利が上がると価格が上がるため、方向そのものが反対です。
長期で債券を持って金利低下や分配を狙うならTLT、短期で金利上昇を取りにいくならTMVというように、目的を分けて考えることが重要です。
低倍率ETF(TBT)・反対方向ETF(TMF)との違い
同じ「金利上昇で利益」を狙うベア型でも、-2倍のTBTと-3倍のTMVではリスク・リターンが大きく異なります。-3倍のTMVは大きな値幅を狙いやすい一方、金利が下がったときの損失も大きく、減価の影響も受けやすくなります。
ただしTBTは国内の主要ネット証券8社で取扱がなく(2026年9月確認)、国内で金利上昇を狙うならTMVが主な選択肢です。値幅を抑えたい場合は、TMVの投資額を小さくして調整するのが現実的です。
反対方向のTMFは、同じ米国20年超国債のブル型(+3倍)で、金利低下(債券価格上昇)を狙う商品です。金利の方向観が「下がる」ならTMF、「上がる」ならTMVと、見通しに応じて選ぶ関係になります。長期金利が上がった2026年9月25日には、TMFが27.21ドルで52週安値を付ける一方、TMVは52週高値圏でした。
ただしTMVとTMFを同時に長期保有する使い方は、両方が減価しやすくコスト面でも不利になりやすいため避けるのが無難です。どちらか一方に絞り、相場観が変わったら乗り換える形が基本です。
金利が動くとTMVはどれくらい動く?値動き目安の早見表
長期金利が変化したときの「1日あたりの理論上の値動き目安」です。対象国債のデュレーション(約14.8年)に金利変化幅を掛けて国債価格の変動率を出し、それを-3倍しています。
| 長期金利の変化(1日) | 国債価格の変動目安(約14.8年) | TMVの理論上の値動き目安(-3倍) |
|---|---|---|
| +0.10%(金利上昇) | 約-1.5% | 約+4.5% |
| +0.05%(金利上昇) | 約-0.7% | 約+2.2% |
| ±0% | 約0% | 約0%(経費・コスト分は目減り) |
| -0.05%(金利低下) | 約+0.7% | 約-2.2% |
| -0.10%(金利低下) | 約+1.5% | 約-4.5% |
長期金利が0.10%動くだけで、TMVは1日で約4.5%動く計算です。実際、米20年債利回りが0.10%上がった2026年7月29日(FOMCの据え置き決定日)は、TMVが+4.8%でした。0.11%下がった8月19日は-4.9%と、いずれも早見表に近い値動きです(米財務省の利回りと終値から編集部が確認)。
この値幅を前提に投資額を決めておくと、過大なポジションを避けやすくなります。
TMVを買える国内証券会社
TMVは国内の主要ネット証券8社すべてで取扱があります(2026年9月時点・編集部調べ)。主な6社は次のとおりです。
| 証券会社 | 取扱状況 | 米国株手数料 | 為替手数料 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| SBI証券 | 取扱あり(2026年9月確認) | 約定代金の0.495%(税込)・上限22ドル | リアルタイム為替0銭(円貨決済は25銭) | 米国株・米国ETFの取扱銘柄数が多く関連レバレッジETFも比較しやすい |
| 楽天証券 | 取扱あり(2026年9月確認) | 約定代金の0.495%(税込)・上限22ドル | リアルタイム為替0銭(円貨決済は25銭) | 楽天ポイントや国内株・投信と資産を一括管理しやすい |
| マネックス証券 | 取扱あり(2026年9月確認) | 約定代金の0.495%(税込)・上限22ドル | 買付0銭・売却25銭 | 銘柄スカウター米国株など分析・注文機能が充実 |
| 松井証券 | 取扱あり(2026年9月確認) | 約定代金の0.495%(税込)・上限22ドル | 両替0銭(円貨決済は25銭) | サポート体制とシンプルな取引画面。米国株の取扱も拡充 |
| 三菱UFJ eスマート証券 | 取扱あり(2026年9月確認) | 約定代金の0.495%(税込)・上限22ドル | 20銭 | 三菱UFJグループの連携とPontaポイント(旧auカブコム証券) |
| DMM株 | 取扱あり(2026年9月確認) | 約定代金の0.495%(税込)・上限22ドル | 25銭 | 米国株の現物・信用取引に対応。1株から取引可能 |
SBI証券:米国レバレッジETFをまとめて比較したい人向け
SBI証券は、米国株・米国ETFの取扱銘柄数を重視する人に向いています。レバレッジETF・インバースETFは証券会社によって取扱銘柄に差があります。TMVだけでなく反対方向のTMFや1倍のTLTなども比較したい場合、取扱銘柄の豊富さは重要です。
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楽天証券:資産を一括管理しながら使いたい人向け
楽天証券は、すでに国内株・投資信託・NISA・iDeCoなどで使っている人にとって資産管理しやすい証券会社です。米国ETFだけでなく投資信託や国内ETFもまとめて管理したい人に使いやすい選択肢です。
Direxionのブル・ベア3倍ETFの解説コンテンツも用意されており、TMVのような債券系レバレッジETFは投資額の管理が重要なため、資産全体を見ながら取引できる環境はメリットになります。
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マネックス証券:分析・注文機能を重視する人向け
マネックス証券は、チャート・ニュース・銘柄分析・注文機能を重視する中上級者に向いています。TMVは買うタイミングだけでなく売るタイミングも重要です。長期金利のチャート・指値注文・逆指値注文・保有銘柄管理・損益確認のしやすさは、証券会社選びの重要なポイントになります。
日本円のまま買う場合も含め、買付時の為替手数料が0銭(定期見直しあり)な点も、短期売買でコストを抑えたい人に向いています。
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証券会社を選ぶときの比較ポイント
TMVを取引する証券会社を選ぶ際は、「取扱いがあるか」だけでなく以下の5点も確認しておきましょう。
- 米国ETFの取扱銘柄数
-
TMV・TMF・TLTのように同じ米国債テーマでも複数の銘柄があります。金利の方向観に応じて使い分けたいなら、債券系を含めて取扱銘柄数が多い証券会社が便利です。
- 米国株・米国ETFの売買手数料
-
TMVは短期売買になりやすく売買回数が増えがちです。主要各社は約定代金の0.495%(上限22ドル)が中心ですが、ウィブル証券は2026年7月27日から米国株の取引手数料を無料にしています。
- 為替手数料・為替スプレッド
-
SBI証券・楽天証券のリアルタイム為替は0銭ですが、円貨決済では1ドル25銭かかるなど、決済方法でコストが変わります。短期売買を繰り返すと為替コストが積み重なります。
- 注文方法
-
成行注文だけでなく、指値注文・逆指値注文・期間指定注文が使えるかを確認しましょう。金利が逆に動いたときの損切りルールを明確にする場合、逆指値注文の有無は重要です。
- アプリ・取引ツールの使いやすさ/情報量
-
価格・チャート・板情報・ニュース・保有損益を確認しやすいかをチェックしましょう。TMVの取引ではETF価格だけでなく、米10年債・30年債利回り、FOMCやCPIの日程、国債入札の結果も確認できると有利です。
TMVの使い方・売買戦略
戦略1:短期トレンドに乗る売買(金利上昇トレンド)
TMVの代表的な使い方は、長期金利の上昇トレンドに沿った短期トレンドに乗る売買です。米10年債・30年債利回りが明確な上昇トレンドにあり、米国20年超国債が下落基調にある局面で、その方向に合わせてポジションを取ります。
トレンドに乗る売買では、長期金利のチャート、米国債利回りの20日・50日・200日移動平均線、上値突破の有無、ドル指数、原油などインフレ連動資産、FOMCメンバーの発言などを確認します。金利の上昇が続いているかどうかが、TMVを持ち続ける根拠になります。
重要なのは購入前に撤退条件を決めておくことです。「長期金利が直近の節目を下抜けたら撤退」「TMVが20日移動平均線を割ったら損切り」「想定の値幅に達したら一部利確」など、事前にルールを作ることで感情的な売買を避けやすくなります。
戦略2:経済イベントを狙った短期売買
TMVはイベント前後の短期的な値動きを狙う用途にも使われます。代表的なイベントはFOMC、CPI、PCEデフレーター、雇用統計、米国債の入札、四半期定例入札(リファンディング)、財政・債務上限に関する報道、格付け会社の動きなどです。これらは長期金利を大きく動かす材料になります。
金利上昇方向の材料が明確なときに短期で入ることがありますが、イベント前後は価格変動の大きさが急上昇し、予想と逆に金利が低下してTMVが急落することもあります。ポジションを大きくしすぎず、事前に損切りラインを決めておくことが重要です。指標は発表直後にスプレッドが広がりやすいため、約定価格にも注意します。
戦略3:ポートフォリオの一部として限定的に使う
レバレッジETFは、ポートフォリオの中心に据えるより総資産の一部として限定的に使う方が現実的です。たとえば総資産の1〜5%程度を戦術枠として使い、残りは通常ETF・投資信託・現金・債券・個別株などで分散する方法があります。
特に-3倍のTMVは値動きが大きいため、通常のETFよりも小さな投資額から始めるのが無難です。
戦略4:保有債券・債券ファンドの金利上昇ヘッジ
TMVは、保有している米国債ETF(TLTなど)や債券ファンドの金利上昇リスクを一時的にヘッジする目的で使われることがあります。長期債を保有する投資家が、短期的な金利上昇を警戒してTMVを少量買い、債券の値下がりを部分的に相殺するイメージです。
ヘッジ比率を間違えると過剰ヘッジや想定外の損失につながるため、保有資産とTMVの対象一致・レバレッジ倍率・ヘッジ期間・金利が反転(低下)したときの撤退ルール・為替リスクを確認しましょう。-3倍は効きが強いため、ヘッジ目的なら少額から始めるのが無難です。
戦略5:金利見通しを使った債券レバレッジETF戦略
金利上昇を見込むならTMV、低下を見込むならTMFと、金利見通しに応じて使い分けます。金利はFOMC・CPI・雇用統計・米国債入札など複数要因が絡み予測が難しいため、見通しが変わればTMVからTMFへ乗り換えるなど、ポジションを柔軟に見直す姿勢が求められます。
TMVを買う前に確認したいチェックリスト
購入前に次の9項目をセルフチェックし、1つでも「いいえ」があれば一度立ち止まって検討し直しましょう。
- 米国20年超国債と「金利が上がると価格が下がる」関係を理解しているか
- TMVがベア型・-3倍で、金利上昇で上がる商品だと確認したか
- 日次リセット型で、2営業日以上では-3倍どおりにならない可能性を理解しているか
- 長期保有で減価・乖離が起きる可能性を理解しているか
- 経費率・純資産総額・平均出来高・スプレッドを確認したか
- 為替リスクを考慮し、投資額を総資産の一部に抑えているか
- 金利が逆(低下)に動いたときの損切りライン・利確ルールを決めているか
- FOMC・CPI・雇用統計・米国債入札の日程と金利チャートを確認したか
- TMF・TLTと比較し、証券会社ごとの手数料・為替コストと、NISA対象外である点を確認したか
TMVに向いている人・向いていない人
- 米国ETF・海外ETFの取引経験があり、レバレッジETFの仕組みを理解している
- 米国の長期金利やFOMC・インフレ指標を自分でチェックして売買判断できる
- 損切りルールを守れ、投資額を管理できる
- 為替リスクを理解し、イベント前後の価格変動の大きさを許容できる
- 「金利が上がる(債券が下がる)」という相場観が明確で、撤退理由も説明できる
- 投資初心者、レバレッジ・インバースETFの仕組みを理解していない人
- 値動きの大きさに耐えられない、損切りが苦手な人
- 長期で放置したい人、「金利上昇でずっと-3倍に増える」と誤解している人
- 生活資金や近い将来使う資金で投資しようとしている人
- 金利のニュースやチャートを毎日確認できない人
「向いていない人」に当てはまる場合は、まずTLTのような1倍の通常債券ETFや投資信託で金利と債券の関係を体感するのが現実的です。TMVのようなレバレッジETFは、いつでも・誰にでも必要な商品ではありません。
TMVの購入手順
TMVを購入する流れは、以下の5ステップです。すでに米国株口座を持っている場合は、STEP4から始められます。
米国株・米国ETFを取引できる国内証券会社の口座を開設します。TMVはSBI証券など主要ネット証券8社すべてで取り扱われています。
総合口座の開設後、外国株取引口座の開設が必要になる場合があります(SBI証券はWEB申込なら自動で開設)。為替取引・外貨決済などの設定も確認しましょう。
証券口座に日本円を入金します。円貨決済で購入できる場合と、事前に米ドルへ両替する場合があります。外貨決済を利用する場合は日本円を米ドルに両替します。(為替手数料・スプレッドは証券会社によって異なります)
米国株・ETFの検索画面で「TMV」と入力します。反対方向のTMF(金利低下狙いの+3倍)と間違えないよう、正式名称・運用会社・倍率・方向(ベア/金利上昇で利益)を必ず確認しましょう。値動きが大きいため、基本的には指値注文を検討します。
TMVは長期で放置する商品ではありません。購入後は価格・米国債利回り・為替・相場環境・FOMCやCPIの日程を定期的に確認しましょう。
\ 米国ETF取扱銘柄数トップクラス!関連ETFもまとめて比較できる /
TMVのよくある質問
- TMVは長期投資に向いていますか?
-
長期投資よりも短期売買やヘッジ向きの商品です。日次で-3倍を目指す設計のため、長期では累積リターンが単純な-3倍と一致せず、金利が上下に振れる相場では減価の影響を受けやすくなります。
- TMVはNISAで買えますか?
-
買えません。レバレッジ型・インバース型ETFは新NISAの対象外(成長投資枠・つみたて投資枠とも)のため、TMVは特定口座・一般口座で取引します(2026年9月時点)。
- TMVの利益にかかる税金はどうなりますか?
-
国内証券会社経由で米国ETFを売買した場合、譲渡益には国内で20.315%の税金がかかります。TMVの分配金は米国で原則10%源泉徴収されたうえで国内でも20.315%課税され、確定申告で外国税額控除を利用できる場合があります。
特定口座(源泉徴収あり)に対応しているかは証券会社によって異なるため、詳細は各証券会社および税理士・税務署にご確認ください。
- TMVは初心者にもおすすめですか?
-
初心者向けとは言いにくい商品です。値動きが大きく、金利と債券の関係や日次リセットの仕組みを理解しないまま保有すると、大きな損失につながる可能性があります。まずはTLTのような通常の債券ETFや投資信託で金利と債券の動きを体感し、レバレッジETFの仕組みを理解してから検討するのが無難です。
- レバレッジETFはなぜ減価するのですか?
-
日次リセットと複利効果のためです。長期金利が上下に振れる方向感のない相場では、米国債指数が横ばいでもTMVの価格が下がることがあります。
- TMVは金利上昇局面の保険になりますか?
-
保有している債券・債券ファンドの金利上昇リスクに対する短期的なヘッジとして機能する場合はありますが、常に完璧な保険になるわけではありません。ヘッジ対象との相関、-3倍というレバレッジ倍率、保有期間、為替、日次リバランスの影響によって想定どおりに機能しない場合があります。
- 成行注文と指値注文のどちらがいいですか?
-
TMVでは基本的に指値注文を検討するのが無難です。値動きが大きくスプレッドが広がる場面もあるため、成行注文では想定外の価格で約定する可能性があります。特に米国市場の寄り付き直後や、FOMC・CPIなど重要指標の発表直後は注意が必要です。
- 金利が上がるとTMVはどう動きますか?
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米国の長期金利が上がると長期国債の価格は下がり、TMVは理論上その下落率の約3倍上昇します。デュレーションを約14.8年とすると、長期金利が1日で0.10%上がれば国債は約1.5%下落し、TMVは約4.5%上昇する計算です(1日あたりの理論値。複数日では一致しません)。
- TBTとTMVの違いは何ですか?
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どちらも米国20年超国債の下落(金利上昇)で利益を狙うベア型ですが、TMVはDirexionの-3倍、TBTはProSharesの-2倍です。TMVは値幅が大きい分、金利が逆に動いたときの損失や減価も大きくなります。
なおTBTは国内の主要ネット証券8社で取扱がなく(2026年9月確認)、国内で買えるのはTMVです。
まとめ:TMVは仕組みを理解して使う中上級者向けETF
TMV(Direxion Daily 20+ Year Treasury Bear 3X ETF)は、金利が上がると上がるベア型ETFです。通常ETFより大きな値幅を狙える一方、損失も大きくなりやすく、長期保有では減価・乖離リスクがあります。
- TMVは米国20年超国債指数の日々の値動きに対して-3倍を目指すベア型ETF(金利上昇で利益)
- 日次リセット型のため、2営業日以上の保有では-3倍どおりに動かず、金利が振れる相場では減価しやすい
- 短期トレンドに乗る売買・イベント投資・金利上昇ヘッジなど、保有期間を区切った戦術的な使い方が基本
- 反対方向のTMF(金利低下狙い)とは、金利の方向観で使い分ける
- 手数料・為替コストは証券会社によって異なるため最新情報を確認する(NISAは対象外)
2026年9月は利上げと長期金利の上昇でTMVが52週高値圏にありますが、金利が反転すれば-3倍で下落します。相場観(金利上昇)が当たれば大きなリターンを狙える一方、仕組みを理解せずに買うと大きな損失につながる可能性があります。中級者〜上級者であっても、レバレッジETFは「攻めの道具」であると同時に「リスク管理が必須の道具」です。
購入を検討する場合は、まず取扱いのある国内証券会社で最新情報を確認し、自分の投資目的やリスク許容度に合っているかを慎重に判断しましょう。
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