S&P500のインバースETF比較|SH・SDS・SPXUの違いとヘッジでの使い分け【2026年最新】

「保有しているS&P500の投資信託やETFの値下がりに備えたい。でも、SH・SDS・SPXUのどれを選べばいいの?」「倍率が高いほど少ない資金で済むなら、SPXUが一番お得?」

S&P500の下落で値上がりするインバースETF(ベア型ETF)は、-1倍のSH、-2倍のSDS、-3倍のSPXUが代表的です。倍率が変わると、必要な資金だけでなく、目減りの大きさや相場が動いたあとのヘッジの効き方も変わります。WOZ mediaでは、3銘柄のコスト・規模・国内の取扱に加え、2026年の実際の値動きで「ヘッジしていたらどうなったか」を試算しました。

結論から言うと、数週間〜数カ月かけて保有資産を守るなら目減りの小さいSH、数日〜数週間の短期なら少ない資金で済むSDS・SPXUが基本です。DMM株を使う場合は、DirexionのSPXS(-3倍)とSPDN(-1倍)が選択肢になります。

この記事でわかること
  • SH・SDS・SPXUのコスト・規模・流動性・国内取扱の違い
  • 1,000万円分のヘッジに必要な金額と、倍率ごとの注意点
  • S&P500が+13.1%上がった2026年の値動きとヘッジの損益
  • 高金利がインバースETFの成績を下支えした仕組み
  • DMM株でも買えるDirexionのSPXS・SPDNとの違い
  • 目的別の使い分けと、買える国内証券会社

S&P500のインバースETF(特に-2倍・-3倍)は、一般的なインデックスETFよりも価格変動リスクが大きく、短期間で大きな損失が発生する可能性があります。投資判断は、各ETFの目論見書、運用会社の公式情報、各証券会社の取扱状況・手数料・為替コスト・リスク説明を確認したうえで、ご自身の責任で行ってください。

この記事の目次

結論:S&P500のインバースETFはSH・SDS・SPXUの3本が基本【比較早見表】

S&P500のインバースETFは、ProSharesが運用するSH・SDS・SPXUの3本が中心です。連動する指数は同じで、違いは倍率です。まず要点を早見表で確認しましょう。

項目SHSDSSPXU
倍率(日次)-1倍-2倍-3倍
経費率0.88%0.91%0.90%
1,000万円分のヘッジに必要な額1,000万円500万円約333万円
2026年の年初来(分配込み)−9.0%−20.0%−30.4%
10年の年率リターン(2025年末時点)−12.64%−27.13%−41.20%
国内の取扱(主要8社)7社(DMM株は×)7社(DMM株は×)7社(DMM株は×)
向いている使い方数週間〜数カ月のヘッジ数日〜数週間のヘッジ数日単位のヘッジ・下落狙い

経費率は2026年9月28日付の目論見書、年初来は2025年12月31日と2026年9月25日の終値の比較(分配金込み、Yahoo Financeのデータから編集部が計算)です。10年の年率は目論見書に載っている2025年12月31日時点の値で、証券会社ごとの取扱は買える国内証券会社で紹介しています。

S&P500のインバースETFとは?
S&P500の1日の値動きと反対方向に動くことを目指すETFです。S&P500が1日1%下がると、-1倍のSHは約1%、-3倍のSPXUは約3%の値上がりを目指し、上がった日は同じ倍率で値下がりします。

経費率は0.88〜0.91%とほぼ同じで、選ぶ基準は「どのくらいの期間持つか」です。倍率が高いほど少ない資金で済む一方、上下に振れる相場での目減りと、相場が動いたあとのヘッジの比率のずれが大きくなります。

2026年はS&P500が年初来+13.1%(価格ベース)上昇し、3本とも値下がりしました。ただし損失は単純な倍率計算より小さく、背景には高金利による金利収入があります(2026年の値動きで解説)。

SH・SDS・SPXUの違いを比較表で確認:経費率・純資産・流動性・分配金

3銘柄を、比較に必要な項目に絞って並べました。表の銘柄名から、各ETFの解説記事に移動できます。

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項目SHSDSSPXU
正式名称ProShares Short S&P500ProShares UltraShort S&P500ProShares UltraPro Short S&P500
設定日2006年6月19日2006年7月11日2009年6月23日
経費率0.88%(費用免除なし)0.91%(同)0.90%(同)
純資産約9.5億ドル約3.4億ドル約4.1億ドル
平均出来高(20営業日)約870万株約306万株約740万株
1日の売買代金(同)約2.8億ドル約1.7億ドル約2.6億ドル
株価(1株の円換算)32.01ドル(約5,000円)53.26ドル(約8,400円)33.59ドル(約5,300円)
52週の値幅(取引時間中)31.83〜39.20ドル52.54〜80.50ドル32.82〜62.85ドル
1日の値動きの倍率(2026年の実績)約−0.99倍約−1.96倍約−2.95倍
分配金(直近12カ月の利回り)四半期・約4.0%四半期・約5.3%四半期・約6.5%
直近の併合2024年11月7日(1対4)2025年11月20日(1対5)2025年11月20日(1対4)
国内の取扱(主要8社)7社(DMM株×)7社(DMM株×)7社(DMM株×)

2026年9月時点の値です。純資産はProShares公式サイトの9月25日時点、出来高と売買代金(出来高×終値の概算)は8月28日〜9月25日の平均、株価は9月25日の終値で、円換算は1ドル156.94円で編集部が計算しました。1日の値動きの倍率は、2026年にS&P500が0.5%超動いた95日の中央値です。

表から読み取れるポイントは次の4つです。

  • コスト:経費率は0.88〜0.91%でほぼ同じです。3本とも総経費率が上限(0.95%、2027年9月30日までの契約)を下回るため、費用免除はありません
  • 規模・流動性:純資産と売買代金はSHが最大です。SDSは売買代金が3本で最も小さいため、指値注文で価格を確かめながら売買しましょう
  • 値動き:1日単位ではほぼ倍率どおりです。2営業日以上持つと、日次リセットの影響で倍率どおりにならなくなります
  • 分配金:倍率が高いほど利回りが高めです。原資は主に金利収入で、株価が下がるほど利回りは高く見えます

各銘柄の特徴やリスクは、個別の解説記事で詳しく紹介しています。

倍率と必要資金:1,000万円のヘッジならSH 1,000万円・SDS 500万円・SPXU 約333万円

S&P500に連動する投資信託やETFを1,000万円持っている場合、1日単位で同じ値動きを打ち消すのに必要な投資額は「保有額÷倍率」です。

ETF必要な投資額(損失の上限)手元に残る資金S&P500が1日1%下がったときの利益
SH(-1倍)1,000万円0円約10万円
SDS(-2倍)500万円500万円約10万円
SPXU(-3倍)約333万円約667万円約10万円

1日単位のヘッジの効果は同じで、倍率が高いほど少ない資金で済み、損失の上限(投資額)も小さくなります。経費率の負担額も投資額に比例し、1,000万円分のヘッジで年約8.8万円(SH)、約4.6万円(SDS)、約3.0万円(SPXU)です。残りの資金を現金で持っておけば、急落後の買い増しにも回せます。

一方で倍率が高いほど、上下に振れる相場での目減り(後述)と、次に紹介するヘッジの比率のずれが大きくなります。

相場が動くとヘッジの比率がずれる

インバースETFの評価額は日々の値動きで増減するため、買った時点で100%だったヘッジの比率は、相場が動くとずれていきます。2026年の2つの局面について、S&P500連動ETFのSPYを1,000万円持っていた場合の比率を試算しました。

局面(S&P500の動き)SHSDSSPXU
下落:1月27日→3月30日(−8.9%)121%133%146%
上昇:3月30日→8月13日(+23.4%)67%54%44%

各局面の初めにSH 1,000万円・SDS 500万円・SPXU約333万円を買い、局面の終わりの「ETFの評価額×倍率÷保有株の評価額」を比率としました(分配金込み・ドル建てで編集部が計算)。

下げたあとは比率が100%を超えて下落に賭けすぎた状態になり、上げたあとは次の下落への備えが薄くなります。SPXUは上昇局面のあと44%まで下がり、ヘッジの半分以上が消えていました。

倍率が高いほど比率をこまめに見直す必要があり、長めに持つならずれの小さいSHが扱いやすくなります。なお米国ETFでヘッジしても、ドル建ての資産が増えるため円高による目減りは防げません。

個別株が中心の場合のベータの考え方や、為替を含めたヘッジ額の計算は、インバースETFを使ったヘッジの方法で解説しています。

2026年の値動き:S&P500が+13.1%の年にSH・SDS・SPXUはどう動いたか

2026年のS&P500は、1月27日の最高値(当時)から3月30日まで9.1%下げたあと、8月13日に最高値7,798.99を付けました。9月25日は7,743.41で、年初来+13.1%です(いずれも価格ベースの終値)。

この3つの局面と年初来について、S&P500(SPY)1,000万円を各期間の初めにSH・SDS・SPXUでヘッジした場合の損益を試算しました。

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期間保有株(SPY)1,000万円SH 1,000万円SDS 500万円SPXU 約333万円
下落:1月27日→3月30日−88.8万円(−8.9%)+105.9万円(+10.6%)+106.9万円(+21.4%)+109.4万円(+32.8%)
上昇:3月30日→8月13日+234.1万円(+23.4%)−174.9万円(−17.5%)−166.0万円(−33.2%)−154.2万円(−46.3%)
横ばい:8月13日→9月25日−5.9万円(−0.6%)+12.8万円(+1.3%)+10.7万円(+2.1%)+9.7万円(+2.9%)
年初来:2025年末→9月25日+140.0万円(+14.0%)−90.5万円(−9.0%)−100.2万円(−20.0%)−101.4万円(−30.4%)

編集部の試算です。分配金込みのドル建て騰落率(Yahoo Financeの調整後終値)で計算し、為替・手数料・税金は含みません。

下落局面では、3本とも保有株の損失(88.8万円)を上回る利益が出ました。SPXUは+32.8%と、単純な3倍(+26.7%)を約6ポイント上回っています。

上昇局面の損失は、SPXUが154.2万円と最も小さくなりました。ただしこれは、上昇でSPXUの評価額が早く縮み、ヘッジの効き目自体が弱まった結果です。

下落と上昇の両方を含む年初来では、SHの損失が90.5万円と最も小さく、SDS・SPXUは約100万円でした。相場が往復すると倍率が高いほど目減りし、横ばいの局面でもSHの利益が最も大きくなっています。

損失が単純計算より小さかった2つの理由

2026年の3本は、S&P500の上昇に対して、単純な倍率計算ほどは下がりませんでした。年初来の成績を分けてみると、理由は2つあります。

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銘柄単純計算(S&P500×倍率)理論値(日々の騰落率×倍率を積み上げ)実績(分配込み)実績と理論値の差
SH−14.0%−13.4%−9.0%約+4ポイント
SDS−28.0%−26.0%−20.0%約+6ポイント
SPXU−42.0%−37.5%−30.4%約+7ポイント

S&P500はSPY(分配込み)の年初来+14.0%で計算しました。理論値はコストや金利収入を含まない値で、いずれも編集部の試算です。

1つ目は日次リセットの複利効果です。上昇が続くとインバースETFの元本が縮み、その後の上昇で失う金額も小さくなるため、理論値の損失は単純計算より小さくなりました。

2つ目が金利収入で、実績は理論値をさらに4〜7ポイント上回りました。ProSharesの年次報告書(2026年5月末時点)によると、3本は手元資金をMMFや米国短期国債など利回り3.5〜3.7%程度の資産で運用していました。さらにスワップ契約でも、年3.7〜4.3%の金利を受け取っています。

スワップ契約とは?
運用会社が金融機関と結ぶ、指数の値動きと金利を交換する契約です。インバースETFは、S&P500(配当込み)が上がればその分を支払い、下がればその分を受け取ります。あわせて、想定元本(純資産×倍率)に応じた金利も受け取ります。

倍率が高いほどスワップの想定元本が大きく、受け取る金利も増えます。反対にブル型のUPROは同じ時点でスワップの金利を年4.2〜4.6%支払っており、金利はブル型にはコスト、インバース型には収入になります。

1,000万円分をヘッジする場合、スワップの想定元本はどの倍率でも約1,000万円ですが、手元資金はSHが最も多くなります。金利の対象になる金額(投資額+想定元本)はSHが約2,000万円、SDSが約1,500万円、SPXUが約1,333万円で、年初来の損失がSHで最も小さかった理由の1つと考えられます。

なお、スワップ契約には相手の金融機関の信用リスクがあります。3本とも2026年5月末時点で10社の金融機関と契約し、相手先を分散していました。

FRBは2026年9月に政策金利を3.75〜4.00%へ引き上げ(2023年以来の利上げ)、年内の追加利上げも示唆しています。金利が高いうちは目減りを和らげる材料になりますが、利下げ局面ではこの下支えが小さくなります。

減価と併合:S&P500のインバースETFを長く持つほど不利になる理由

S&P500のインバースETFは、長く持つほど不利になりやすい商品です。株価指数が長期で上がってきたことに加え、倍率が高いほど上下の値動きで目減りするためです。

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銘柄1年5年(年率)10年(年率)10年の累積
SH(-1倍)−11.37%−10.18%−12.64%約−74%
SDS(-2倍)−26.85%−23.43%−27.13%約−96%
SPXU(-3倍)−41.82%−36.62%−41.20%約−99.5%
S&P500(配当込み)+17.88%+14.42%+14.81%約+298%

2025年12月31日時点の年平均リターン(基準価額ベース・分配金再投資・税引前)で、ProSharesの2026年9月28日付目論見書の値です。10年の累積は年率から編集部が計算しました。

10年間持ち続けていたら、SPXUは投資額の99%以上を失った計算です。S&P500が年率約15%で上がったこの10年は、インバースETFにとって不利な環境が続きました。

短期では大きく上がる局面もあります。目論見書に載っている最良の四半期は、S&P500が大きく下げた2022年4〜6月で、SHが+17.00%、SDSが+34.31%、SPXUが+51.43%でした。一方、コロナ・ショック後に株価が急反発した2020年4〜6月は最悪の四半期で、SH −19.29%、SDS −36.41%、SPXU −51.26%とほぼ同じだけ下げています。

目減りは値動きの大きさからも生じます。たとえばS&P500が1年後に同じ水準に戻り、その間の変動率が2026年並みの年約13%だったとします。コストと金利を除いた理論上の目減りは、SHが約1.7%、SDSが約4.9%、SPXUが約9.6%です(編集部の試算)。

同じ条件でブル3倍のSPXL・UPROは約4.9%で、インバース型は同じ倍率のブル型より目減りが大きくなります。数カ月以上持つ可能性があるなら、倍率を上げるほど不利になると考えておきましょう。

株価が下がると併合(リバーススプリット)が繰り返される

インバースETFは株価が下がり続けやすいため、運用会社は複数の株を1株にまとめる併合で株価を引き上げます。SDSとSPXUは2025年11月20日にそれぞれ1対5・1対4の併合をし、SHも2024年11月7日に1対4の併合をしています。

併合しても保有額は変わりませんが、併合日をまたぐ期間指定注文は各社で受付不可や失効になり、1日程度売買が止まることもあります。逆指値を置いている場合は、併合後に入れ直しましょう。

併合の仕組みや2025〜26年の実施一覧は、ETFのリバーススプリット(株式併合)の解説にまとめています。

DirexionのSPXS・SPDNとの違い:DMM株でも買えるS&P500ベアETF

S&P500のインバースETFは、Direxionも運用しています。-3倍のSPXS(Direxion Daily S&P 500® Bear 3X ETF)と、-1倍のSPDN(Direxion Daily S&P 500® Bear 1X ETF)の2本です。どちらも、ProSharesの3本を扱っていないDMM株で買えます。

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項目SPXUSPXSSHSPDN
運用会社ProSharesDirexionProSharesDirexion
倍率(日次)-3倍-3倍-1倍-1倍
経費率0.90%1.04%0.88%0.48%
純資産約4.1億ドル約3.5億ドル約9.5億ドル約2.5億ドル
1日の売買代金約2.6億ドル約3.3億ドル約2.8億ドル約2.9億ドル
株価(9月25日)33.59ドル23.91ドル32.01ドル8.38ドル
2026年の年初来(分配込み)−30.4%−30.3%−9.0%−8.7%
直近の併合2025年11月20日(1対4)2025年9月29日(1対10)2024年11月7日(1対4)2025〜26年はなし
国内の取扱(主要8社)7社(DMM株×)8社7社(DMM株×)8社

SPXS・SPDNの経費率はDirexionの2026年2月27日付目論見書の値で、SPDNは費用免除後です(総経費率0.54%、免除は2027年9月1日まで)。純資産は9月25日付の公式保有明細から、売買代金は8月28日〜9月25日の平均から編集部が算出しました。

SPXSとSPXUは、どちらもS&P500の-3倍を目指す同じ設計です。2026年の日々の騰落率の差は平均0.04ポイントで、年初来の成績もほぼ同じでした。経費率はSPXUが0.14ポイント低く、売買代金はSPXSが上回ります。

9月25日付の保有明細では、SPXSは純資産の約113%をMMFで運用し、スワップで純資産の約3倍分の売りポジションを持っていました。金利収入が成績を下支えする仕組みも、SPXUと共通です。

-1倍のSPDNは、経費率が0.48%とSHより0.40ポイント低く、年初来の成績もSHを0.3ポイント上回りました。純資産はSHの約4分の1ですが、1日の売買代金はSHと同じ水準です。

編集部が2026年9月28日に8社の公開取扱一覧と銘柄検索で確認したところ、SPXS・SPDNはDMM株を含む8社すべてに掲載がありました。DMM株で取引するなら-3倍はSPXS、-1倍はSPDNが選択肢ですが、同社は米国株の逆指値に対応していない点に注意しましょう。

目的別:S&P500インバースETFの使い分け

使い分けは、ヘッジする期間と、比率をどのくらいの頻度で見直せるかで決まります。

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目的・状況候補理由・注意点
保有するS&P500を数週間〜数カ月守るSH(DMM株ならSPDN)目減りと比率のずれが小さい。保有額と同じ資金が必要
FOMC(次回は10月27〜28日)や雇用統計など、数日〜数週間のイベントに備えるSDS資金は半分で済む。比率をこまめに確認する前提
少ない資金で数日単位の下落に備える・狙うSPXU(DMM株ならSPXS)資金は3分の1。急反発の日は大きく値下がりする
-1倍でコストを抑えたいSPDN経費率0.48%。純資産はSHより小さい
円で売買したい東証上場の2238(-1倍)・2249(-2倍)為替ヘッジあり。純資産が小さい
下落に長く備え続けたいインバースETF以外現金比率を上げる、資産配分を見直すなど

どの倍率を選ぶ場合も、買う前に次の3つを決めておくのが基本です。

STEP
ヘッジする期間を決める

「FOMCの結果が出るまで」「決算シーズンが終わるまで」など、終わりの時期を先に決めます。数週間を超えそうならSHが基本です。

STEP
倍率と金額を決める

「保有額÷倍率」で投資額を出します。保有資産の一部だけを守る場合は、その割合に合わせて金額を減らします。

STEP
見直しと手じまいの条件を決める

S&P500が大きく動いて比率がずれたら金額を調整します。期間の終わりや下落の一服など、手じまう条件も決めておきましょう。

2026年のように上昇が続く年は、ヘッジを外すのが遅れるほど損失が積み上がります。

S&P500インバースETFを買える国内証券会社

SH・SDS・SPXUは、DMM株を除く主要ネット証券7社で買えます。DirexionのSPXS・SPDNは8社すべてで取扱があります(2026年9月28日に各社の公開取扱一覧・銘柄検索で編集部が確認)。

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証券会社SH・SDS・SPXUSPXS・SPDN米国株手数料為替手数料(1ドルあたり片道)
SBI証券○○約定代金の0.495%(税込)・上限22ドルリアルタイム為替0銭(円貨決済は25銭)
楽天証券○○約定代金の0.495%(税込)・上限22ドルリアルタイム為替0銭(円貨決済は25銭)
マネックス証券○○約定代金の0.495%(税込)・上限22ドル買付0銭・売却25銭
松井証券○○約定代金の0.495%(税込)・上限22ドル両替0銭(円貨決済は25銭)
三菱UFJ eスマート証券○(SH・SPXUは7月30日〜、SDSは8月31日〜)○約定代金の0.495%(税込)・上限22ドル20銭
DMM株×○約定代金の0.495%(税込)・上限22ドル25銭
moomoo証券○○約定代金の0.132%(税込)・上限22ドルリアルタイム両替0銭(円貨決済は25銭)
ウィブル証券○○無料(2026年7月27日〜)15銭

手数料は税込・課税口座の場合、為替手数料は1ドルあたり片道です(2026年9月時点)。マネックス証券の買付0銭は定期的に見直されます。

1,000万円分のヘッジを1往復する場合、0.495%の会社でも売買手数料は上限の22ドル(往復44ドル、約6,900円)に収まり、倍率による差はほとんどありません。差が出るのは円貨決済の為替手数料(片道25銭)で、SHは約3.2万円、SPXUは約1.1万円かかります(1ドル156.94円で編集部が計算)。リアルタイム為替(0銭)など両替コストの低い方法を使えば、この差は抑えられます。

インバースETFはヘッジの調整などで売買の回数が増えやすいため、売買手数料と為替コストの合計で比べましょう。注文機能や取引時間まで含めた比較は、レバレッジETFの証券会社比較で解説しています。

注文前には、次の4点を確認しましょう。

  • ティッカーの取り違え:SPXL(ブル3倍)とSPXS(ベア3倍)、SSO(ブル2倍)とSDS(ベア2倍)のように、1文字違いで方向が逆の銘柄があります
  • 口座区分:インバースETFはNISAの対象外です。特定口座などの課税口座を選びます
  • 逆指値:DMM株は米国株の逆指値に非対応です。時間外取引では逆指値が効かない社が多く、夜間の株価の急反発や窓開けは防げません
  • 併合の予定:併合日をまたぐ期間指定注文は失効するため、併合後に出し直します

SBI証券公式サイトでSH・SDS・SPXUの取扱状況を確認する

\ 米国ETF取扱銘柄数トップクラス!関連ETFもまとめて比較できる /

S&P500インバースETFのよくある質問

SH・SDS・SPXUはどれを選べばいいですか?

保有資産を数週間〜数カ月守るならSH、数日〜数週間のイベントに備えるならSDS、少ない資金で数日単位の下落に備えるならSPXUが目安です。倍率が高いほど資金は少なくて済みますが、目減りとヘッジの比率のずれが大きくなります。

初めて使う場合は、値動きをS&P500と見比べやすい-1倍のSHから試す方法もあります。

SPXUとSPXSはどちらを選べばいいですか?

値動きはほぼ同じなので、コストと使う証券会社で選ぶのが現実的です。経費率はSPXU(0.90%)がSPXS(1.04%)より低く、1日の売買代金はSPXSが上回ります。DMM株で取引するならSPXSが選択肢です。

DMM株で買えるS&P500のインバースETFはありますか?

DirexionのSPXS(-3倍)とSPDN(-1倍)です(2026年9月時点)。DMM株が扱うProSharesの商品はTQQQだけで、SH・SDS・SPXUは取り扱っていません。同社は米国株の逆指値に対応していないため、損切りの価格は自分で確認する必要があります。

分配金の利回りが高いのはなぜですか?税金はどうなりますか?

分配金の主な原資は、手元資金やスワップ契約から得る金利収入です。分配は年4回(3・6・9・12月)で、直近は9月23日が権利落ち日、9月29日が支払日です。直近12カ月の利回りはSHが約4.0%、SDSが約5.3%、SPXUが約6.5%ですが、株価が下がるほど高く見える点に注意しましょう。

税率は譲渡益・分配金とも20.315%です。インバース型の分配金は大半が利子由来で、米国で非居住者の源泉徴収が免除される区分に当たる部分もありますが、国内での実際の扱いは取引報告書などで確認しましょう。

S&P500のインバースETFはNISAで買えますか?

買えません。インバース型ETFは新NISAの対象外で(成長投資枠・つみたて投資枠とも)、2027年開始のこどもNISAでも扱いは同じです。NISAで持つ投資信託の下落に備える場合も、インバースETFは特定口座などの課税口座で買います。

2026年6月には、NISA対象外の米国ETFを対象と誤って案内した証券会社が行政処分を受けています。NISA区分は注文画面で必ず確認しましょう。

円で売買できるS&P500のインバース型はありますか?

東証上場のETFに、iFreeETF S&P500インバース(2238、-1倍)とiFreeETF S&P500ダブルインバース(2249、-2倍)があります。どちらも信託報酬は年0.803%(税込)で、為替ヘッジありです。

S&P500先物をもとにした指数に連動し、純資産は2238が7.01億円、2249が10.27億円(9月25日)と小さめです。NISAの対象外で、日次リセットによる目減りも米国ETFと同じです。

SH・SDS・SPXUで投資額がゼロになることはありますか?

目論見書では、S&P500が1日で33%の上昇に近づくとSPXUが、50%に近づくとSDSが、投資額の全額を失う可能性があるとしています。現物で買う限り損失は投資額までで、追証はありません。

全損に至らなくても、上昇が続けば大きく値下がりします。2026年の上昇局面(3月30日→8月13日)では、SPXUが46.3%、SDSが33.2%下落しました(分配込み)。

まとめ:S&P500のインバースETFは保有期間で倍率を選ぶ

S&P500のインバースETFは、-1倍のSH、-2倍のSDS、-3倍のSPXUが代表です。2026年のデータで比べた要点は次のとおりです。

  • 3本とも経費率は0.88〜0.91%でほぼ同じ。選ぶ基準は倍率と保有期間
  • 1,000万円のヘッジに必要な資金はSH 1,000万円・SDS 500万円・SPXU約333万円。倍率が高いほど、相場が動いたあとの比率のずれが大きい
  • 2026年は3本とも値下がりしたが、高金利による金利収入で損失は単純計算より小さかった
  • 10年の年率はSHが−12.64%、SPXUが−41.20%で、長期保有には向かない
  • DMM株ではSH・SDS・SPXUは買えず、DirexionのSPXS(-3倍)・SPDN(-1倍)が選択肢

上昇を狙う銘柄はS&P500のレバレッジETF比較で、ナスダック100や半導体などほかの指数のインバースETFは米国インバースETF一覧で比べています。購入前には、各社の銘柄検索で取扱状況と手数料を確認しましょう。

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本記事は投資判断の参考となる情報提供を目的として作成したものであり、特定の金融商品・ETF・証券会社の利用を推奨するものではありません。掲載情報は作成時点(2026年9月時点)のものです。ETFの内容・経費率・純資産総額・出来高・取扱証券会社・手数料・NISA対応可否などは変更される場合があります。投資には価格変動リスク・為替リスク・流動性リスク・信用リスク・金利変動リスクなどがあります。レバレッジETF・インバースETFは一般的なETFよりリスクが高く、短期間で大きな損失が発生する可能性があります。投資判断は、各ETFの目論見書・運用会社の公式情報・証券会社のリスク説明・手数料体系を確認したうえで、ご自身の責任で行ってください。

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この記事を書いた人

小畑 和彰のアバター 小畑 和彰 合同会社WOZ 代表

1999年11月12日、神奈川県三浦市にて生まれる。東京都目黒区在住。
2016年7月にフリーランスとして起業し、Webサイト運営・アフィリエイト広告事業を開始。2020年4月に合同会社WOZ(WOZ LLC)を設立し、アフィリエイト事業の一部を法人化。
現在は、アフィリエイトやウェブ制作を主軸に置きながらも、FXや株式投資にも意欲的に取り組み、自身で得た知見をもとに情報発信を行っている。

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